「海外で働きたい!」

誰もが1度は考えたことがあるのではないでしょうか。海外旅行やインターネットの普及により、世界を身近に感じられるようになっても、実際にそこに住んで働くのはまったく別のこと。家族や友達と離れ、知らない街で1から生活することを決断するには、大きな勇気がいります。

当社のグループ会社「NHN Service Technology Corp.」は、中国の大連にあります。そこでは、日本人スタッフも勤務しています。

2011年秋に大連に渡り、その後、一貫してゲーム運営全般を担当しているNHN Service Technology Corp.の斉藤雄薫に、大連で働こうと思ったきっかけや決断した理由、大連に来て良かったことや戸惑ったことなどについてインタビューしました。当社グループ会社スタッフのリアルをお届けします!
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▲大連の街並み


●「新しいことチャレンジしたい」

――まず、現在の仕事を教えてください。

斉藤: ゲーム運営全般です。ゲーム内を監視し、お客様のご意見やご要望を集計して、開発会社や運営チームに報告を行っています。また、ゲーム内イベントの企画なども行っています。


――いつから大連で働いていますか?

斉藤: 2011年です。もうすぐ5年ですね。


――出身はどちらですか?

斉藤: 生まれも育ちも東京の下町です。


――どうして大連で働こうと思ったのでしょうか?

斉藤: 前の会社を辞めて仕事を探していたとき、たまたま参加した就職フェア(合同就職説明会)で、大連にてゲーム運営業務を募集していることを知り興味をもちました。前の職場は、実家から徒歩3分。環境も良く、仕事にやりがいを感じていましたが、「新しいことにチャレンジしたい」という気持ちがいつもありました。東日本大震災により会社の業績が悪くなってしまったことをきっかけに、新しい道を探すことにしました。


――これまでに旅行や留学などで中国に行ったことはありましたか?

斉藤: それが、ないんですよ……海外旅行にも1度も行ったことがなくて、初めての海外が今の仕事です。


――そうなんですか! では、わからないことばかりだったのではないですか?

斉藤: そうですね。まず、給与がわかりませんでした(笑)。そのとき参加したのは、日本の就職フェアなのに給与は「元」で書かれていたんです!「一体いくらなんだ???」となりましたが、面白そうだなと思い、大連で働くことを決めました。


――悩んだ末での決断では、なかったのですね。

斉藤: 大きな声では言えないのですが、勢いです(笑)。


――当時、海外で生活していくという自信はありましたか?

斉藤: 自意識過剰かもしれませんが、ありました。前職は清掃会社だったのですが、かなりの体育会系で……。私は営業と清掃を担当していたのですが、そこそこの成績を残していました。だから、働く場所や仕事は変わっても、やれると思っていました。


――ゲームに関する仕事も初めてだったんですね。

斉藤: 仕事としては初めてでしたが、日本にいたとき、頻繁にとあるゲームの大会に出場していました。日本では、トップ10に入るくらいのランクでした。でも、これ、面接では一切話していないんですけどね。

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▲春節に買ったお菓子についていたおまけのお面。お気に入りだとか。



●大連にきてもっとも良かったことは、仕事に集中できること。

――大連での住まいは、どうやって探しましたか?

斉藤: 会社に日本語ができる不動産屋を紹介してもらいました。ホテルに2、3日滞在しながら住むところを決め、そのまま大連での新生活がスタートしました。


――大連に来て、いちばん良かったのはどんなことですか?

斉藤: 仕事に集中できることです。オフィスは広くてきれいで、休憩スペースなどもあって、職場環境が良いことには、とても感謝しています。また、こちらに知り合いがいないことも、独身で仕事を頑張りたかった今の自分には、ぴったりでした。


――2011年秋入社ということは、もうすぐ5年ですね。その間いろいろなことがあったと思いますが、特につらかったのはどんなことですか?

斉藤: 些細なことかもしれませんが、湯船がないことですね。中国では、シャワーのみが一般的なんです。だから、日本に帰ったときのいちばんの楽しみは、お風呂! のんびりと湯船につかれるのは、最高ですね。なんか本当に小さなことで申し訳ないのですが(笑)……


――毎日のことですから大きいですよ! 食事はどうですか?

斉藤: ネットニュースや本などで、日本人には合わないというのをよく見ていたので心配していました。実際ですか? おいしくいただいています。


――食事が合うかは重要ですね。他に戸惑ったことはありますか?

斉藤: 日本とは習慣が違うから、始めは全部ですね。たとえば、大連は人口が多いので、朝の通勤時間帯のエレベーターでは、下に行きたいと思っても、多くの人は上に行くボタンを押します。1度上がらないと、自分のいる階にエレベーターが来たときには、もういっぱいで乗れないんですよ。最初は、そういうことを知らなかったから、ずっとエレベーターに乗れなくて途方に暮れていました(笑)。


――知っていればなんてことないことでも、知らないと堪えますね。日本に帰りたいと思ったことはありますか?

斉藤: まったくありません。やっぱり自分には、仕事に集中できる環境に身をおくことができたのが、とても良かったです。それと、同僚の存在ですね。今まで一緒に働いてきたスタッフがいなかったら、ここまで続いていなかったと思います。みんなのフォローがあったから、こうしてやってこられました。本人たちには、絶対に言いませんけどね(笑)。お客様の方を向いているスタッフばかりなんです。家庭の事情で退職せざるを得なかった人もいますが、その人たちの意思を引き継ぎ、その思いをサービスに向けています。


――仕事をとても大切にしていますが、働いていてもっともうれしいのはどんなときですか?

斉藤: やっぱりお客様に喜んでいただいたときですね。お客様からいただいた要望が実装されたとき、お客様がプレイする様子をよく影からこっそりと見ています。その一方では、「不具合がでたらどうしよう」と気が気ではないのですけどね。


――喜んでいただけるって良いですよね。ところで、休日はどんなことをしていますか?

斉藤: 掃除をして洗濯をしたあと、料理をするための食材を買いにスーパーに行きます。1人暮らしなので、まずは家事全般を行います。時間ができると、やっぱりゲームをしますね。休日にリラックスしてゲームで遊んでいるときにふと気づいたことが、仕事のアイデアにつながることもあるんですよ。


――観光はしないんですか?

斉藤: 近くの本屋さんなどには行きますが、観光名所にはあまり行きませんね。万里の長城をはじめとした中国の有名な観光スポットは、大連から行くとめちゃくちゃ遠くて……。同僚のなかには、夏休みなどの長い休みに1週間くらいかけて旅行に行く人もいますが、私はまだ行ったことはありません。もうすぐ5年なので、そろそろどこか行きたいです(笑)。
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▲大連の夜景



●「やりたいことがあるのならば、やるだけ」

――これから海外で働きたいと考えている若者も多いのではないかと思います。経験者としてのアドバイスをお願いします。

斉藤: まずは、勢いですね(笑)。思っている以上に世の中の動きは早く、特に中国は日本以上のように感じます。やりたいことがあるのでしたら、やるだけです。迷っていたら乗り遅れてしまいますよ。とはいっても、知らない国で生活するのですから、事前の準備や危機管理が重要なことは言うまでもありません。日本の家族には、心配をかけないよう定期的に連絡してくださいね。


――もうすぐ5年を迎えますが、海外で仕事を続けるためのアドバイスはありますか?

斉藤: そうですね……自分でルールを決めるということでしょうか? 海外で生活をするということは、日本にいる以上にいろんなことがあります。常にアウェイですからね。私は中国語を学生時代に専攻していたこともあって、ひととおり話すことはできますが、地方による発音の違いなどもあり、完全なコミュニケーションがとれるわけではありません。生活習慣も日本と違うところも多く、合うこと合わないことは当然あります。

それでもこうして続けてこられたのは、「次(の仕事)は、5年は続ける」と自分のなかで決めていたからだと思います。当時、25歳だったのですが、「30歳までは絶対に日本に帰らない」という決意は、いつも自分の中で大きかったです。やりきるという強い意志をもっていれば、必ずできると私は思っています。


――5年を達成したら、その後は、どうされるんですか? 

斉藤: まだまだ日本に帰りたいという気持ちはありませんので、大連で今の仕事を続けていきたいです。あと何年かは、いられたらと思っています。


――最後に、お決まりの質問なのですが……大連に来てよかったですか?

斉藤: もちろんです! 私は、大切なことは誰かに喜んでもらうことだと思っていますが、今は仕事をするとお客様が喜んでくれるんです。いろんな仕事がありますが、私は、お客様にサービスを届ける仕事にやりがいを感じます。今の仕事をとおしてそれを確認できたことも、大連に来てよかったことの1つだと思います。

また、日本では30歳は、そろそろ守りに入る年齢ですが、今の私はまだまだチャレンジャー。若かった頃の気持ちのまま頑張れるのも、こっちにいるからこそではないか思います。この年で守りがないのも、正直どうかとも思いますけどね(笑)……


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